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【エンジニア対談】「スクラム × 振り返り文化」で進化するFilmarksのチーム開発
Filmarksのエンジニアチームが磨き続ける「振り返り文化」。スクラムを取り入れたアジャイル開発で、7年で150回以上の振り返りを重ね、チーム開発の手法を進化させてきました。
今回は、エンジニアの2人が、試行錯誤のプロセスや「振り返り」がもたらした変化について語ります。

👤 野田直軌[写真左]
エンジニアリングマネージャー(2014年3月入社)
主な業務:Filmarksサービス開発におけるプロダクトマネジメント及びエンジニアマネジメントを担当
👤 田中悠己[写真右]
エンジニア(2017年9月入社)
主な業務:Filmarksアプリの新機能開発と保守・運用を担当
チーム開発で実感したエンジニアとしての成長
ー 田中くんのつみき入社のきっかけは?
野田 転職だったよね?
田中 はい、新卒で入社した企業からの転職です。前職では、一人で黙々と実装するスタイルでした。
野田 転職を考えたきっかけは?
田中 エンジニアとしての技術にはある程度自信があったんですけど、ずっと一人で開発を続けるうちに「この環境は自分に合っていないのでは?」と感じ始めたんです。
野田 その気持ち、よくわかる。自分も前職ではエンジニア一人だったから、不安とか閉塞感を感じることが多かった。自分の書いたコードが本当に正しいのか、設計の考え方が適切なのか、確かめようがないんだよね。
田中 一人だとコードレビューするプロセスもないですし。
野田 一応動作はするけど、「これでいいのか?」っていう不安がつきまとうよね。
田中 そうなんですよね。なので、チーム開発を経験したいと思ったことが、転職を考えた大きな理由でした。
野田 あと自分の場合は、スキルのある人と一緒に働きたいという思いも転職の動機として大きかった。
田中 それ、すごく共感します。一人で開発していると、成長の実感が薄いんですよね。

ー つみきに入社してみて、どんな印象でした?
田中 チームで開発するのが初めてだったので、すごく新鮮でした。それまでは「モダンな開発現場ってどんな感じなんだろう」と想像するしかなかったんですけど、つみきにはいろいろな経験や技術をもった先輩エンジニアがいて、刺激があって、学ぶことが多かったです。入社当時はコロナ禍前で毎日出社してましたけど、会社に行くのが楽しみでした。
野田 自分の成長を感じた瞬間って覚えてる?
田中 入社当初は、Githubのプルリクにたくさんコメントをもらってたんです。でも、段々とコメントの数が減ってきて、最終的にコメントなしでレビューが通るようになったとき、「成長できたな」と実感しましたね。
野田 それって、チーム開発ならではの経験だよね。
田中 そうですね。以前、野田さんに「ここの実装いいね」と褒めてもらったことがあって、あのときはめちゃくちゃ嬉しかったです。
野田 いまでは、コーディングに関しては田中くんにかなわないけど(笑)。
田中 とんでもないです。
野田 田中くんの実装は、細部までしっかり考え抜かれているのがすごくいいと思う。自分も細かい部分を気にするタイプだから、たとえば変数名とか処理の順番にはこだわる。前に、if文の順番について話したことあったよね。
田中 ありましたね。可読性や最適化についての話でした。
野田 そうそう、「判定する順序を考慮して、前提条件を理解しやすいようにする」という話だったかな。そういう細部へのこだわりやお互いのレビューが、より良いコードにつながるんだよね。

つみきのチーム開発の強みは「振り返り文化」
ー つみきでは、長らくアジャイル開発を取り入れてますね?
野田 はい。いまは、2週間単位で振り返りを行うスクラム開発を進めてます。
田中 これまで、いろいろな手法を試しましたよね。
野田 デイリースクラムにしたり、朝会を入れたり、いろいろと試行錯誤してきた。
田中 コロナ禍前の出社が基本だった頃は、会社の会議室で夕会を開いたり。
野田 そうだね。でも、リモートワークが主流になってからは、エンジニアそれぞれに集中したい時間帯があって、正社員と業務委託のメンバーが混在する環境にもなって。その結果、その日のタスクを毎朝Slackで報告するっていう、いまのスタイルに落ち着いた感じだね。
ー “試行錯誤”でいうと、「振り返り」も工夫してきたと聞いてます。
野田 スクラムごとの振り返りは、ほぼ毎回欠かさずやってきました。
田中 僕が入社した2017年頃からなので、約7年間。通算で150回以上はやってますね。
野田 単なるルーチン的に振り返りをするんじゃなくて、振り返り自体のやり方も試行錯誤してきたよね。つみきのエンジニアリング文化の大きな柱と言っていいレベルだと思う。業務委託のメンバーから「他社と比べて、つみきは圧倒的に振り返りを重視してる」と言われたこともあった。
田中 基本的な振り返りのフレームワークを活用しつつ、そのフレームワーク自体も改善してきましたね。とりあえず、本に載っている振り返り手法は、ほぼ片っ端から試しながら。
ー どんな手法を試しましたか?
野田 たとえば、初期は定番のKPT(Keep / Problem / Try)を採用していたけど、シンプルでやりやすい反面、内容が浅くなりやすいデメリットもわかった。最終的に「Tryとして挙がった課題は、本当に次に取り組むべき課題なのか?」という疑問が残ったりして。
田中 ですね。「Tryまで出せたから良かった」と、KPTをやること自体が目的化してしまうケースがあって、深掘りするには向かない手法だと感じました。
野田 他にも、YWTM、4Lモデル、fishbone、Starfish、タイムライン、感謝、ポジティブ星人とかとか、相当やってきた。
田中 はい。過去に実施した手法は全部アーカイブに残して、またいつでもできるようにしているのもよいと思います。

野田 あと、振り返り会のファシリテーターを固定じゃなくて、持ち回りにしたのも大きな改善だった。
田中 持ち回りにしたのは、なぜだったんですか?
野田 マネージャーの自分がファシリテーターをやり続けていると、手法が固定化しがちだと気づいたんだよね。それなら、業務委託のメンバーも含めて、エンジニア全員でファシリテーションを回していこうぜと。
田中 たしかに、持ち回りにして、振り返りの手法をファシリテーターが自由に決めるルールにしてから、振り返りの幅が広がりました。
野田 うん。ファシリテーター初心者は過去のアーカイブから選んでもいいし、まだやったことのない手法を採用してもいい。
田中 気軽に新しい手法を試せる今の状況は、とても良いと感じてます。
野田 それから、取り入れた振り返りの手法が有効だったかを検証する仕組みも活きてる。「この手法は本当に効果があったか?」を議論して、ブラッシュアップして次回もう一度やってみるっていう。
田中 「振り返りの振り返り」ですね(笑)。
振り返りの成果とチームコミュニケーション
ー 「振り返り文化」によって、開発ではどんな成果がありましたか?
野田 丁寧に振り返りを続けているおかげで、課題が大きくなる前に早期発見できているのが成果ですね。課題を小さいうちに洗い出して、対応策を議論して決定し、issue化して解決する。このサイクルがうまく機能してます。
田中 「この辺、ちょっと危ないかも」といった小さな違和感が、振り返りの場で自然と共有されてますね。
野田 そう。その結果、問題が大きくなる前に手を打てるから、大きな課題に発展することがほとんどない。
田中 細かい課題は日々発生しますけど、それらを一つひとつ解決していく積み重ねが大事だなと感じてます。
野田 振り返りがきちんと機能することで、チーム全体の開発効率が向上しているのも成果のひとつだね。

ー 他に、振り返り文化による影響はありますか?
田中 新卒2年目の後輩エンジニアが「振り返り会のファシリテーションは緊張する」と言ってました。初めてのときは、「どんなアイスブレイクを入れようか」といろいろ考えてたみたいです。
野田 それもいい経験だと思う。アイスブレイクもいろいろ試してるよね。
田中 はい、ゲームをやったり。
野田 ただ、アイスブレイクが楽しすぎて、予定より長くなりがちなのが課題(笑)。
田中 GeoGuessrのゲームはみんなで盛り上がりすぎて、30分くらい使っちゃったこともありましたね(笑)。
野田 あったね。振り返り会がいいコミュニケーションの場にもなってると思う。
ー いま、つみきのエンジニアチームは総勢で何名ですか?
野田 現在は業務委託メンバーも含めて総勢で約20名。つみき史上で最大規模です。
田中 外国籍の業務委託メンバーもいますし、国内でも遠方の方もいますね。
野田 そうだね。基本リモートワークだからこそ、アイスブレイクにゲームを入れたりして、業務以外でのコミュニケーションも大事にしたいと思ってる。
田中 はい、それは同感です。社員、業務委託メンバー、これから新たに参画してもらう人も含めて、みんなに気兼ねなく意見してもらいたいですね。
野田 そうだね。もし不明点や課題があれば、それも振り返り会の議題にあげて、次に取り組むissueにしていく。振り返りの文化を活かして、新しいメンバーがスムーズにチームに馴染んでもらえるよう、環境づくりも改善し続けていきたいね。
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